【記事案136】2024年は世界17位!!躍進を続けるタンジェ港(モロッコ)のコンテナ取扱量

紅海迂回の結果はどうだった?高まるタンジェ港の存在感

モロッコのタンジェ港は、2024年のコンテナ取扱量の世界ランキングで17位となり、いよいよ、その存在感を高めてきています。

アフリカの主要港を取り巻く環境については、2023年秋以降のイスラエル・ハマス紛争の激化を背景に、スエズ運河を回避して喜望峰回りとする航路が定着しつつあり、変化が生じています。

今回はこうした環境変化を踏まえ、タンジェ港(モロッコ)に加え、スエズ運河に直結するポートサイド港(エジプト)やダーバン港(南アフリカ)といったアフリカの主要港のコンテナ取扱量がどのように推移しているのかを、データをもとに確認していきます。

タンジェ港、ポートサイド港、ダーバン港の年間コンテナ取扱量の推移

まずは、タンジェ港とポートサイド港、ダーバン港のコンテナ取扱量が長期的にどのように推移してきたのかを確認します。
※比較用に東京港のコンテナ取扱量もグラフに入れておきます。
(グラフの東京湾をクリックで表示)

グラフを見ると、タンジェ港は2010年代以降、一貫して取扱量を伸ばしており、2024年には1,000万TEUを超える水準に達しています。

一方、ポートサイド港は長期的には増加基調にあるものの、2024年は前年から取扱量が減少していることが確認できます。
ポートサイド港はスエズ運河の地中海側にある港であり、2023年秋以降の紅海情勢の悪化を背景に、スエズ運河を回避する航路が増えた影響を直接受けた可能性があり、その動きが数字にも表れているように見えます。

では、喜望峰回りとする航路が増えたことでダーバン港のコンテナ取扱量が増加したのかというと、データ上は大きな変化は見られません。

タンジェ港は2007年に開港し、アフリカ・地中海エリアで最大のコンテナ港を目指す方針が示されてきましたが、これまでの推移を見る限り、計画的な港湾整備と取扱量の拡大が着実に進められてきたことが分かります。
2024年には世界ランキングで17位となりましたが、2025年に向けて、さらに順位を上げることができるのか注目されます。
今後もタンジェ港を含め、アフリカ地域のコンテナ取扱量について引き続きレポートしていく予定です。

※大谷シッピングでは、アフリカ、中東、インド、欧州への海上輸送も積極的に取り扱っています。多数の実績がありますので、ご入用の際はぜひお問い合わせください。